Sunday, February 12, 2006

1日4本映画館で映画を観るとどうなるか?『春の居場所』→『サイレン』→『燃ゆるとき』→『男たちの大和』

答え=意外とハイテンション

もっともこれは僕の映画集中力が下がってきてるせいもある。
以前はもっと集中して映画を観ていた。
映画館に行くことそのものがもっと特別であった頃は、
一回観ただけでも映画の細部まで記憶できていたものだ。

つまりそれくらい集中して観ていたわけで、
ハイテンションなんてことはなく、もうぐったりだった。
1日3本なんて見たら頭痛は確実で、
ナロンエースは僕にとって映画館に行くときには
なくてはならないお供だったのである。

もちろん今でもナロンエースのお世話にはよくなるのだが、
以前よりはだいぶ減った気がする。
最近は妙な鑑賞体力がついたという面もあったりするけど。
舞台挨拶に行くようになってから、昔は決して座らなかった
鑑賞するのにベターとさえ言えない席で鑑賞する機会が多い。
昔は後方ど真ん中を何がなんでも死守していたものだが、
本当に妙な体力がついてしまった。

東京国際映画祭で体験した六本木ヒルズ7番スクリーン最前列
なんかは脅威ポジションで、あれを経験すれば大抵の
ポジションはこなせる気がするw
鑑賞ポジションの限界に挑戦したい人は是非どうぞ。
アイマックス+見上げる席は間違いなく通常の3倍疲れます。


何はともあれ1日4本映画館鑑賞の自己新記録を樹立。
建国記念日に公開になった邦画を公開日に一気に制圧できたし、
ホントは最初の2本でやめるところを、男臭い映画を観て修正してこいと
背中を押してくれた友人には微妙に感謝したい。


●1本目
『春の居場所』★★☆
春の居場所

鷺澤萌の絶筆となった作品を映画化。
高校2年の冬を題材にした青春映画。

監督:秋原正俊
出演:堀北真希 、細山田隆人 、柳沢なな 、城咲仁 、佐藤藍子

だらだらとした小品青春映画である。
前半は鷺澤萌の繊細さが活きているシーンがそれなりにあり悪くないが、
終盤はその空気を維持できず、失速感が大きい。
またカメラの画質がやたら荒かったり、ロケーションの細部の
こだわりが不足していたりと、予算ない感が出過ぎている。
堀北真希などキャストの素材はそれなりであったし、
いくつか良いシーンもあっただけに、もったいない。

まあ堀北真希が大人になったら佐藤藍子ってのは、
大人になったら内山理名(「深紅」)よりはマシだったかもしれない。

●2本目
『サイレン』★★☆
サイレン

同名ゲームを題材に「ケイゾク」「トリック」の堤幸彦が監督した新感覚スリラー。
29年前に謎の失踪事件が起きた島で怪現象に巻き込まれていく話。

監督:堤幸彦
出演:市川由衣 、森本レオ 、田中直樹 、阿部寛 、西田尚美

ホラー映画は大っ嫌いな僕が勇気を振り絞り鑑賞。
堤幸彦が撮るホラーってどんなものか?という興味を持ってみたのだけど、
正直たいしたことなかった。
やってることは安いホラーと一緒で、深みのあるじわじわとした怖さはない。
映像的にびっくりはさせられるんだけど、あくまで直接的な表現。
ウリであった5.1chを駆使した立体的な音による恐怖は、正直感じきれなかった。
あまり中央の座席ではなかったということもあったかもしれないが、
それを確かめるためだけにもう一度観る気にはなれない、そういう映画。
終盤の展開は、納得はできないが、やられた!とは一応思えるぐらいの
大ざっぱながら伏線はあるので、脚本はそれなりに評価したいと思う。

●3本目
『燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY』★★☆
サイレン

高杉良のマルちゃんを題材にした同名小説が原作。
アメリカ進出を果たした「マルちゃん」を襲うアメリカの荒波に
日本的経営手法で戦いを挑む話。

監督:細野辰興
出演:中井貴一 、大塚寧々 、長谷川初範 、中村育二 、津川雅彦

1000円の前売り券で、劇場窓口でマルちゃんの250円するカップラーメンを
もらったので、実質750円で鑑賞できた素晴らしく経済的な映画。
内容は大前研一なんかが喜びそうな21世紀サラリーマンどもよ目覚めよ!
みたいな話で、昔はビジネスパーソンたちは次々とアメリカに突っ込んで
いったんだよ。今ちゃんと中国とかに突っ込んでいけてる?って具合。
全体的にやぼったーい演出が多いし、とにかく事象が唐突に起こり、
それに対症療法みたいなストーリー展開なので、全体的な流れからくる
面白みと盛り上げが足りない。簡単に言うと古い邦画スタイル。
今のやつらに送るメッセージ映画としてはやや不適な演出だとは
思うが、もちろん興行ターゲットはそっちじゃないので、これは正しい
スタイルなのかもしれない。たまにはこんな映画を、おじさんたちに囲まれて
観るのも経験としては良い。

●4本目
『男たちの大和/YAMATO』★★★
男たちの大和

言わずと知れた戦艦大和を巡る乗務員たちとその家族の物語。

監督:佐藤純彌
出演:反町隆史 、中村獅童 、鈴木京香 、松山ケンイチ 、渡辺大

よもやこんな大ヒットになるとは思っていなかった。だって東映だもん。
ヒットしたって言ってもやっぱり東映なので、内容はアレに違いないと
思っていたのだが、いよいよここまでロングランとなると、いったい
どんなことになっているのか観ざるを得なかった。

結論から言うと、予想よりはるかに良くできた映画だった。
何より大和のセットが素晴らしく、終盤の戦闘シーンはこれまでの
東映のショボショボ映画のイメージを払拭するだけの
気合い溢れる映像に仕上がっていた。
感動作との評判に関しては、まあそりゃ人が死ぬ話どころか、
人が死にに行く話なわけで、これで感動させられないなら、
そんな監督は廃業したほうがいい。見せるべきはそれにプラスして
積み上げられる要素であったはずだが、残念ながらその領域には
達していなかった。

やっぱりクソみたいなテロップとか、うざったい音楽とか、
やっぱりやってしまう古くさい演出手法の数々が使われるあたりは、
流石東映クオリティですなと感心。
今はまだこれでやっていけるだろうけど、そのうちこの会社も
大艦巨砲主義と同じように滅び去っていくんじゃないだろうか。
この映画のヒットに満足して、また同じ場所に留まろうとするんじゃないの?
大和のように時代の犠牲になれるならばまだ良いけど、
何も残さずただ消滅しそうで怖い。


シネマサンシャインで観た「燃ゆるとき」「男たち大和」は共に東映配給。
昭和臭い映画を観たければ東映の映画を観ておけば間違いない。
「春の居場所」の舞台挨拶で堀北にふやけ、「サイレン」で市川由衣萌え
していた僕も、東映様の漢映画を2連続で観たことで、だいぶ漢になれました。
漢なら東映の映画を観るべし!

「2005年の東映配給作一覧」

北の零年
劇場版AIR
ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島
映画 ふたりはプリキュア マックスハート
四日間の奇蹟
フライ,ダディ,フライ
劇場版 金色のガッシュベル!! メカバルカンの来襲
劇場版 仮面ライダー響鬼(ヒビキ)と7人の戦鬼
魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁
深紅
鳶がクルリと
まだまだあぶない刑事
同じ月を見ている
映画 ふたりはプリキュア マックスハート2 雪空のともだち
男たちの大和/YAMATO

やっぱ東映すげーな、おいw
ぷりてぃーできゅあきゅあしながらマジレンジャーとは
流石に僕もついていけません。

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Monday, September 19, 2005

『容疑者 室井慎次』(映画館)★★☆

odoru_muroi

踊る大捜査線スピンオフ企画第2弾。
「真下」も「室井」もお台場を離れ、新しい舞台で勝負したし、
「真下」では脚本家を変え、「室井」では演出家を変えた。
「真下」は大作アクションで、VFXも多様。「室井」ではコメディをほぼ封印。
スピンオフ企画が単に脇役をフィーチャーするだけのものじゃないんだよ
という意識の強さは、どちらにも明確に現れてはいた。
現れてはいたが、どっちがよりスピンオフとして有効であったかと
問われれば、「真下」よりは「室井」の方があったように思う。
単に「室井」が「青島」とまるでポジションが違うキャラだってことからくる
作風の違いが原因とも言えるんだろうが、思い切った題材に
したこと、しようとしたことも一因だと思う。
この辺はプロデューサーの明確な目的が見えて面白かった。
こんなのも作れますという意味では、確かに今後に繋がる内容
だったんじゃないかと。

まあ、あんまり期待しないで観に行ったこともあり、結構楽しめた。
でも、なんとなく評価しづらいのは、このシリーズの特徴である
勢いで押し切ろうとするところが、やっぱ認めづらいなあと。
自分に甘く、他人には厳しいのでw

とはいえ、娯楽作としてのラインを守りつつ、それなりのエンタテインメントを
供給していることは評価すべきことで、今回もがっつり興収を稼ぎ出している。
今まで邦画に圧倒的にかけていたサービス精神と、宣伝戦略を抜け目なく行う
フジ&広告代理店には感心してます。
ようやく回り出した”邦画”という歯車をこれからも牽引していってもらわなきゃならんし、
金がなきゃできないことはやっぱりあるからね。
その素晴らしい例が本作にもあったしね。(後述)
次は何で仕掛けてくるのか?
それは映画ファンとしての関心ではないのかもしれないけど、
そういう楽しみ方もありでしょ?

監督/君塚良一(MAKOTO)
脚本/君塚良一(恋人はスナイパー)
撮影/林淳一郎、さのてつろう
音楽/松本晃彦
出演/ 柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔、八嶋智人、吹越満、柄本明、佐野史郎、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、津嘉山正種、大和田伸也、大杉漣、小木茂光、升毅、木内晶子、モロ師岡、高橋昌也、真矢みき、筧利夫

 
 
 
 
 
<以下ネタバレ>
 
 
 
 
 
●”映画”であるという主張

「踊る~」の過去のシリーズはそのスケール感、大袈裟さで、映画であることを
主張し、「これならTVの2時間スペシャルで十分だよね」を封殺しようと試みてきた。
しかし、今回は流石にピンチだった。あまりにも地味な話であったし、
差別化を図る為には、あくまで地味でなくてはならなかったのだから。
アクションシーンでスケール感を出すだとか、コメディテイストで誤魔化すことも不可。
そんな中で映画っぽさを主張しようと頑張った結果が、映画らしいセットと、TVでは
あり得ない暗さとか映画っぽいものをたっぷり盛り込むことだったのである。

暗い、とにかく暗い。
そんな暗い場所で謝罪会見するわけねぇだろ。
他にも新宿北署だの法律事務所だののやたら凝ったセットの作り方。
従来の踊るシリーズがお台場を中心とした先鋭的な建物
を積極的に使ってきたことを考えると、これまた大きな方針転換だ。

もっとも驚かされるのが新宿での逃亡群衆シーン。ドラマでは絶対にありえない
そのロケーションの気合いっぷりに、「ああこれ映画なんだあ」って思わせる。
まさに序盤の掴みの瞬間である。
しかし、これがなんとオールセットだっていうんだから金の力は凄い。
上で書いた金がないと出来ないことって奴がまさにこれだ。

これらの演出の違いは、スピンオフだからという理由で、単に君塚監督に
代わったってこともあるかもしれないが、この脚本で本広演出でやったら、
とてもお寒い結果になっていたんではないかと僕は思う。
監督にはやはり得意なジャンルと不得意なジャンルは存在するから。

●やや映画っぽい脚本?でもやっぱり大味

君塚脚本はどーも詰めが甘い。せっかく面白い線ついていて、ワンシーンワンシーン
で観ると結構おもしろいところもあるのだけど、それがうまく繋がっていく感覚が乏しい。
これをいつもは勢いで押し切ってしまうのが、「踊る~」の特徴とも言えると思うが、
今回はメリハリを意識的につけないとすぐ平坦になってしまう題材だっただけに
そのノリにくさがいつもより露呈してしまったように思う。
題材的に微妙な感情の動きで勝負してほしかったんだけど、その域には
残念ながら達してはいなかったように思う。この辺は普段の踊るでは、
盛り込みたくても盛り込めない要素だっただけに、もっと作り込んでほしかった。

あとは今更映画単体でわかる作品にしろなどとは言わないが、大杉漣の公安部長
とか相当「踊る~」シリーズをしっかり観てないとわからないもんがキーとして出てくる。
そういう反則技を使って説明をカットしているわりには、室井の話、権力争いの話、
事件の話とかがうまくリンクして消化されているわけでもないのも、惜しい。

●映画っぽいキャスト、

柄本明、田中麗奈は映画的なキャストだ。柄本明はたまにドラマには出てるけど、
田中麗奈は完全な映画専門女優だしね。

あとは別に映画っぽいキャストではないけど、八嶋智人は重要な役割を果たした。
「踊る~」っぽいファンタジーキャラで、これはやっぱり「踊る~」なんだぜってことを
強く主張していた。ストーリー的にもあれくらい八嶋が無茶苦茶やらないと、
この話しはだれるので、重要なキャラであった。

●やっぱり「踊る~」は終わらない・・・・・んだろうな

シリーズの幅を広げたという意味では凄く良かったのではないかと。
今回も従来路線の作風であったなら、そろそろこのテンションにも飽きたよね~
という意味でこれで打ち止めでいいじゃんと思っていたに違いないが、
これならもう少し続けてもいいかなあなんて。
この地味な題材で、スリーアミーゴーズ邪魔!と思えるぐらい頑張っていたし。
「踊る~」が邦画界に与えた影響は大きいし、これからもその力は
必要なのではないかと思う。

●「踊る~」がまだ破っていないルール

犯人役は決してキャラ立ちしてはいけない。
だから「踊る~」の犯人やら事件の真相はだいたいちっちゃい。
スーパーな犯罪者は出てこないのである。
これこそが「踊る~」が「踊る~」であり続ける為の最大のルールかもしれない。

「真下」なんてそのルールを破る絶好の機会であった。
交渉人を扱ったクライムものなんて、もっとも犯人がキャラ立ちする題材なのだから。
それでも実際にはその「真下」も、犯人を一切描かないことで、うやむやにしてしまった。

あくまで内輪でわいわいやっていく。これこそが「踊る~」というわけである。
しかし、いったいこのルールを破るとどんなことが起きるんだろうね。
織田ちゃんvsなんか凄い犯人。なんだか既視感があるつまんねー作品に
仕上がりそうなので、やっぱなしか。
やるなら引き続きスピンオフでやるしかなさそうだ。
室井が広島でそいつと戦って手柄を立てて再び上へとかでもいいんじゃないのかな。
なんて思わせるのが、このシリーズが支持される理由なんだろなあ。

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Monday, July 18, 2005

『逆境ナイン』(映画館)★★☆

どうにも風邪がなおらねえ。
とりあえず言い訳から入るのが常なわけで、こういう気温の上下っていうんですか、
めちゃ弱いんですよ。じめじめしてるから、考えもじめじめしてくるし・・・
そんなわけでじめじめと、ガンプラなんぞ作って休日を過ごしていたわけですが、
ふと目をやると、たまりにたまった前売り券の山。

maeuri

公開中になってる映画結構あるし、「亡国のイージス」「リンダリンダリンダ」は
今月末だから、もう見ておかないと絶対に観られなくなる映画が出てくるんですよ。
やべ、観に行かなきゃ!と思って時計を観るともう18時だし、体温計は37.2℃だし・・・・
これはまさに逆境!!ていうか観たのに感想書いてない映画が6本、これは逆境!!
このうえさらに観に行ったらまた感想がたまってさらに逆境!
そんなわけで「逆境ナイン」観てきました。疲れきっとる文章展開だなぁ・・

gyakkyou_01

映画の内容は観たとおりのおバカ映画。
藤岡弘、、田中直樹などの濃ゆいキャラを揃え、おバカで押し続けてきます。
ところどころ笑えるところもありますが、素材を生かし切れてない感が
ふつふつとこみ上げてくる出来です。

まあそんなもっともらしい映画評はどーでもいいです。
だってこれはアイドル映画ですもの。アイドル映画として最低限の仕事が
なされていれば、特に問題はありません。
そんなわけで、とりあえず堀北真希を、堀北真希を、堀北真希を見ましょう!!!
誰だよ堀北真希って?とか思ったあなたは、とりあえずググって勉強してきてください。

監督/羽住英一郎(海猿)
脚本/福田雄一
原作/島本和彦「逆境ナイン」
撮影/村埜茂樹(電車男)
音楽/佐藤直紀
出演/玉山鉄二、堀北真希、田中直樹、藤岡弘、、柴田将士、出口哲也、寺内優作、坂本真、青木崇高、土倉有貴、堺沢隆史、栩原楽人、松本実、松崎祐、金児憲史、平山祐介、小倉久寛、金田明夫、炎尾燃、内海桂子
 
 
 
 
 
<ネタバレありあり>
 
 
 
 
 
●全力でないものは死すべし!【ギャグ映画としての逆境ナイン】

冒頭の藤岡と玉山の掛け合いは、この映画が「ありえね~」映画であることの宣言。
冒頭のシーンを観て、観客はこの映画はやっぱり「おバカ」と「理不尽」で
押し通す映画に違いないと感じ、それを楽しみに続きを観たんじゃないかと思う。

それなのにその後に続くシーンの、中途半端なもんが多いこと多いこと。
そこそこのものなど無意味。とにかく突き抜けて欲しいのに、何処かまだ遠慮がちで、
その迷いがギャグ映画としての命である”間”を破壊してしまう。
キレの悪い展開が続き、それは関連性のないショートコントの集合体に見えてくる。
ひとつひとつのネタは見どころのあるものも多かったと思うし、実際いくつか
笑ってしまうシーンもあった。とはいえそれは単に素材の面白さだと感じた。
映画化する以上は、映画でしか出来ない表現で笑わして欲しかったのだが、
そういったビジュアル、サウンドとの相乗効果で攻められたシーンは皆無だった気がする。
映像作りも手間がかかっていたし、結構良く出来ていたので、編集をもうちっと
なんとかすれば、良い出来になっていたのではないかと思う。もったいない。

●恋に恋して、恋気分!【アイドル映画としての逆境ナイン】

素材を活かし切れず、ギャグ映画としては今ひとつな出来であったことは
否めないが、アイドル映画として一定以上の評価に値する。
突き抜けた!とまではいかないが、ヒロイン堀北真希を活かし、
その魅力を十分表現できてはいた。
制服のデザインしかり、無意味なまでの遊園地パートの出来しかり、
どちらかというと偏愛の傾向さえ伺え、なんだか堀北のプロモーションビデオと
化していた。アイドル映画要素が結果として、物語のアクセントになっていたし、
むしろもっとアイドル映画化しとけば、ギャグ映画としても良い方に
繋がったんじゃないかとさえ思う。

堀北真希は2005年の邦画界を代表するヒロイン。
今年だけで「HINOKIO」「深紅」「逆境ナイン」「ALWAYS 三丁目の夕日」と
4本に出演。TVではフジカラーのCMぐらいでしか、お目にかかれない存在だったが、
今クールドラマでは「電車男」にも出演。事務所が少々小さいところなのが、
少々響いていたせいか今までパッとしなかったが、だいぶ露出も増えてきたので、
今後の活躍が期待される。

●それはそれ!これはこれ!なのか?【TVドラマ畑監督の歴史】

この映画の監督である羽住英一郎氏はTVドラマ畑出身。
本広克行、澤田鎌作、武内英樹といったCX系の超有名どころ演出家の下で、
長く演出補を勤めてきた人物である。特に本広氏とは踊るシリーズでの関係を経て、
この映画の制作担当であるROBOTに所属するなど、かなり深い関係にある。

昨年は「踊る~2」大ヒットの流れから「海猿」で初メガホンを取り、
今回が劇場二作目となった。「海猿」はCXのバックアップの下での、
確実なヒットを意識した全国公開作品だったので、かなり無難な作りになっていた。
しかし、今回は日テレ制作で、日テレは実写映画ビジネスは後発ということもあるし、
元々は単館を意識して制作していたこともあり、かなり自由にやりたいことができる
環境であったのではないかと思う。

本作はまたドラマ「ギンザの恋」のスタッフが多く関わっている。
「ギンザの恋」の演出はもちろん羽住監督、脚本補は本作の脚本担当の
福田雄一氏であった。「ギンザの恋」はかなりのドラマ通でないと
覚えていないような作品。トータス松本を主役に据え、
新感覚ラブコメディを目指して日テレの月曜22時枠で放送されたが、
裏のスマスマで稲垣メンバーが復帰するという災難にあい、視聴率5%切りを達成。
あえなく3話短縮で打ち切りという散々な目にあっている。
実際、羽住監督が連ドラの演出を1stDとしてしたのは、これが最初で最後と
なってしまっている。当時、毎週観ていた僕としては、エンドロールの「笑えれば」
に入る流れやら、タイトルバックに毎回工夫していた点やらと、演出全般では
好印象の残った作品だった。

つまり、今回の「逆境ナイン」は少なからずそんな無念の想いが込められている
んじゃないかとドラママニアとしては期待していたのである。
自由な環境でガツンと思いきりのある演出をしてくれるんじゃないかと
期待していたのである。
結果、演出は上記の通りであったし、脚本も終盤に中途半端な野球少年パート
とかを出して、当初のコンセプトであったはずのおバカと理不尽さを強調できるような
作りではなかった。「ギンザの恋」が逆にトラウマとなっているのか、それとも・・・・・
どちらにしても素材の活かし方がまるでなっちゃいなかった。

近年、TVドラマの監督から、映画監督に進出していく流れは強まっている。
しかし現状では、TVドラマの2時間SPと何が違うのか?と言われるような作品が
多く、構成作家出身監督や、CF出身監督などのように独自性を出せている監督は
かなり少ない。
この傾向が強いのは独自色が強く要求されるミニシアター系が、邦画の主流である
ことが大きい。無難な演出が要求されがちな、TVドラマの監督にアドバンテージは
あまりない。
近年は大衆向けの邦画もかなり復権してきてはいるが、そうした大衆向け作品も、
観客はTVドラマの2時間SPでは味わえないもんが観たいから映画を見にくる。
大衆向け=TV局、広告代理店主導なので、TVドラマの監督がメガホンを取ること
が多いが、TVドラマの続編以外の映画では、あまり良い成績は残せていない。
ヒットしたり、高評価を得ている映画はほとんど映画専業の監督ばかりだ。

こうした流れの中、これからどうしていくんだろうなあ・・・などと思っていたときに、
各局がはじめた戦略が、映画からTVドラマ化という新しいメディアミックスの
スタイルなわけだが、それはまた今度今クールのTVドラマの話のところでやりませう。


●自業自得【俺】

結局熱はさらにあがり、体調は悪化。実はこのあとレイトショーの
「HINOKIO」にハシゴしてるんだけど、その感想はまた後日。
映画の感想がたまるのも、体調が悪化するのも全て自業自得。
人生そうそう逆境なんてあるわけないわけで。
さーてあと何本感想書いてない映画あったっけ?w

注:ちなみに観たの7/9で今は一応体調も回復しております(-_-;

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